好きな人が、できたらしい。

好きな人が、できたらしい。

私に。

できた・・・のかなあ。

彼は私が他の男の子としゃべっていても、

全然嫉妬しない。

私も、彼が他の女の子としゃべっていたって、

別に何とも思わない。

年が10も違うから。

こうべ

私は、ゴールデンウィークに航多に会いに行くことにした。

神戸まで。

飛行機で1時間くらい。あっという間なのだ。

何を着ていこうか。あたらしいワンピース。

航多にあったら、話したいことはたくさんあった。

いっしょにいたい。

会いたい。

こんなとき、すぐ会える距離にいる恋人同士がうらやましい。

だけど、こんな思いをできるのも、遠恋だからだ。

遠恋

花見。桜が満開。弘前公園の桜は世界一だと、地元の人は言う。

こんなとき、航多と一緒だったらと思う。

だけど航多は、仕事が忙しくてこられない。

去年までは学生だったけれど、航多は就職して神戸へ行ってしまった。



エンキョリレンアイなんて、たいしたことないと思ってた。

だってたった1年だもの。

1年たって、私も神戸へ行くつもりでいた。

だけど

まだ1ヶ月しかたっていないというのに

私はここにいるのがつらくなった。

エンキョリレンアイ。

会いたくて会いたくてしかたがないとき。

携帯を鳴らしてもすぐにとんできてくれる距離に、いない彼。

ただ声を聞くだけ。メールの文章を読むだけ。

私は今、青森にいる。彼は神戸にいる。

遠距離恋愛というやつだ。