菜々実
菜々実と私が知り合ったのは、北の国だった。
菜々実はその後東京へ行った。私は仙台で3年を過ごした。
その後私も東京へ行くことになる。
まさか、菜々実と再開することになるなんて、そのときは夢にも思わなかった。
しかも、あんなことになるなんて。
菜々実は大学時代から、東京へ行きたいと言っていた。
彼氏が東京へ行くからだ。
男を追いかけて、東京へ行くなんて。
私は内心馬鹿にしていた。
私はひとりで仕事をして生きていこうと思っていた。
男に頼る生活なんてまっぴら。
私の母親は離婚している。
だから、私は自分で独り立ちして生きていくのだと決めていた。
私は仙台で就職が決まり、北国を離れることになる。
その後菜々実とは別れた。
卒業式のとき、この子とは2度と会うことはないんだろうと思った。
なんとなく、世界が違うような気がした。
卒業した後も、何度かメールをしたりはした。
だけど、それも数えるほどだった。
仙台で、仕事が終わってバスで帰宅。
家に帰って、はたきをかけて掃除機をかける。
散らかっているのがいやなのだ。